事務の人、もう1人採ろうとしてませんか!?事務は「誰でもできる仕事」に見えて、止まると会社ごと止まる仕事です。担当が1人辞めただけで、請求書も郵便も電話の取り次ぎも、全部社長の机に戻ってきます。
しかも少人数の会社ほど、営業や役員が事務を兼ね、夜に書類と郵便の山を片づけている、なんて話はよく聞きます。そんな会社に向けて、経理・請求書・電話・郵便の仕分けまで事務作業全般を基本AIで回すセブンコードが、事務AIの活用方法を紹介します!
- 事務担当を増やすか、AIでなんとかするか迷っている経営者
- 事務を兼務していて、本業の時間が削られている役員・営業
- 「事務をAIで自動化しろ」と言われたが、何から手をつけるか分からない事務担当
- 事務作業のどれをAIに渡して、どれを人に残すか、自分で仕分けられる
- 事務の人件費が月いくらで、何人分の仕事がAIに移るかを自分で計算できる
- 今使っているExcel・Gmail・kintoneなどのまま、事務AIを始める手順がわかる
目次
事務はどこまでAIに投げられる?
事務AIとは、データの転記、メールや郵便の振り分け、定型の書類づくり、数字の突き合わせなど、事務の定型作業をAIで自動化することです。事務作業でAIに投げられるのは「写す・振り分ける・作る・確かめる」の4つ。「決める・謝る・責任を持つ」は人に残ります。
ハマノーンはひふへほ〜ん。事務なんて全部AIでいけるだろ。明日から事務はゼロだ!
すずき社長、「事務」ってひとことで言いますけど、中身は何十種類もあります。
ハマノーンそんなにあるのか? 書類を作って、電話に出て……あとなんだ?
すずきなので、まず作業を「型」で仕分けます。型ごとに、AIでいけるかどうかが決まります。
| Lv | 中身 | 事務だと |
|---|---|---|
| Lv1 | いつもの事務ツールのAI機能と自動化 | Excel・Gmail・kintoneなどの中のAI、自動で振り分けるルール |
| Lv2 | 生成AIで下書きと確認を助ける | ChatGPT・Claude・Gemini・Copilotで文面の下書き、データの整形、チェック |
| Lv3 | 回す人 | 作業の仕分け、マニュアルづくり、例外の判断、AIの結果の確認 |
事務作業は「型」で仕分ける
事務作業を業務名(経理、総務、営業事務…)で分けると、「経理はAI、総務は人」のようにざっくりになって失敗します。仕分けるのは業務名ではなく、作業の「型」です。同じ請求書の仕事でも、「金額を転記する」はAI、「支払いが遅れている取引先に電話する」は人、と型で分かれます。
| 型 | 事務の作業の例 | AI任せ度 | どのLvでやるか | 人に残ること |
|---|---|---|---|---|
| 写す | 転記、データ入力、領収書や名刺の読み取り | Lv1+Lv2 | 読み取りミス・重複の確認 | |
| 振り分ける | メール・問い合わせ・郵便・電話の用件の仕分け | Lv1+Lv2 | 仕分けのルール決め、迷ったものの判断 | |
| 作る | 請求書、定型のメール、議事録、資料の下書き | Lv2 | 中身の確認、送るかどうかの判断 | |
| 確かめる | 数字の突き合わせ、抜けや重複の洗い出し | Lv1+Lv2 | 合わなかったものの原因探し | |
| 決める | 例外の判断、承認、支払い | ― | 最終判断は必ず人 | |
| 謝る・頼む | クレーム対応、言いにくい連絡、取引先との調整 | ― | 人がやる | |
| 責任を持つ | 提出物の最終確認、士業への依頼 | ― | 社内の人か、士業 |
経理・経費精算・請求書・電話対応のように、型がはっきりしている業務は個別の記事でくわしく書いています(経理AI/経費精算AI/請求書AI/電話対応AI)。この記事は、そのどれにも入らない「事務全般」をどう仕分けるかの話です。
AIが得意なのは「写す・振り分ける・作る・確かめる」
紙の書類をExcelに打ち直す。届いたメールを担当者ごとに振り分ける。毎月同じ形のお知らせを書く。2つの一覧を見比べて、合わない行を探す。事務の時間の大半は、こういう「決まった手順の繰り返し」です。手順が決まっている作業は、AIが一番強いところです。
ハマノーンじゃあ事務員は全員、AIと交代だな!
すずき社長、話は最後まで聞いてください。手順が決まっていない作業は、AIでは回りません。
人が要るのは「決める・謝る・責任を持つ」
次のような場面は、AIだけでは片づきません。
- 取引先から届いたメールが、クレームなのか単なる質問なのか微妙
- 「この備品、買っていいですか?」と聞かれる
- 郵便の中に、役所からの見慣れない通知が入っていた
- 社長宛ての電話で、相手が明らかに怒っている
ハマノーン怒ってる電話こそ、AIに出てもらいたいんだが。
すずき一次受付はAIでもできます。でも、謝って話をまとめるのは人の仕事です。
ハマノーン……ワシが謝るのか。
すずき社長が謝るとだいたい丸く収まるので、そこはお願いします。
AIは下書きや候補は出せますが、決めて、謝って、責任を持つのは人です。ここが誰もいないまま自動化すると、AIが作った「それっぽいけど違う」書類が、そのまま外に出ていきます。
セルフチェック:あなたの会社はどのLvまで必要?
当てはまるものを数えてください。
- 事務の作業を、全部書き出した一覧がない
- 紙の書類をExcelやシステムに打ち直す作業がある
- 同じ内容のメールを、毎回ほぼ手で書いている
- 郵便・メール・チャットの依頼が、あちこちから届く
- 事務を、社長・役員・営業がほかの仕事と兼務している
- 事務のやり方を知っているのが1人だけ
- その人が休むと、請求書や支払いが止まる
- 手順書やマニュアルがない、またはあっても古い
- ChatGPTなどの生成AIを使っていいかのルールがない
- AIを試したいが、設定する時間がない
- 0〜2個:Lv1(今の事務ツールのAI機能)だけで十分楽になります
- 3〜5個:Lv2(生成AI)まで入れると、手で書く・打つ作業がかなり減ります
- 6個以上:足りないのはツールではなく「回す人」です
ハマノーンうち、10個全部当てはまったぞ。
すずき手順書がない会社でAIを入れても、AIに教える手順がありません。
ハマノーンじゃあ、どうすればいいんだ?
すずきまず人が回して手順書を作る。その「回す人」は外に任せられます。
Lv1:その事務ツール、AIとつながってますか?
事務ツールは乗り換えなくて大丈夫。Microsoft 365・Google Workspace・kintone・Notion・Chatworkは、どれもツールの中にAI機能があります。ChatGPTやClaudeなどの生成AIから操作する公式の仕組み(MCP)は、2026年10月時点でkintone・Notion・Chatworkがツールの会社から出ていて、Google Workspaceは開発者向けのプレビュー。Microsoft 365はツールの中にCopilotがあり、Claude側の公式コネクタからも操作できます。
ハマノーンAIを使うなら、Excelをやめて新しいツールに乗り換えないといけないのか?
すずきいえ、今のツールのままで大丈夫です。たいてい、もうAIが入ってます。
ハマノーン入ってるのか! ワシ、毎日使ってるのに気づかなかったぞ。
すずき毎日使ってるのは、ぼくです。
事務でよく使うツールが、公式に出しているAIの機能・連携をまとめました(2026年10月2日に各社の公式サイトで確認)。
| ツール | ツール内のAI機能(公式) | 生成AIとの公式連携 | 公式の根拠 |
|---|---|---|---|
| Microsoft 365(Word・Excel・Outlook・Teams) | Microsoft 365 Copilot(Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsの中で使える)。Copilot Chat は対象プランなら追加費用なし | Microsoft 365 Copilot のプラン、Claude のMicrosoft 365コネクタ | |
| Google Workspace(Gmail・スプレッドシート・ドキュメント) | Gemini(Gmailのスレッド要約と下書き、スプレッドシートの作成やデータの自動入力、Meetのメモなど) | β(Gmail・ドライブ・カレンダー・Chatを操作するMCPサーバーが開発者向けプレビュー) | Google Workspace のAI、MCPサーバー |
| kintone | kintone AI(検索AI・アプリ作成AIなど。2026年6月から正式提供、スタンダード・ワイドコース) | kintone AI、アップデート一覧、kintone MCPサーバー | |
| Notion | Notion AI(AIブロックでの下書き、AIミーティングノート、Notionエージェントなど。機能によりビジネス以上) | Notion AI、Notion MCP | |
| Chatwork | AI要約、AI下書き、Chatwork Live AI議事録など | Chatwork のAI機能一覧、Chatwork MCPサーバー |
○=公式で提供/β=プレビュー・一部のみ。MCPは、ChatGPTやClaudeなどの生成AIから外部のサービスを操作するための仕組みです。
表にないツールや、生成AIとつないでいないツールでも困りません。一覧をCSVで書き出したり、メールの本文をコピーしたりすれば、Lv2の生成AIで整形やチェックができます。事務AIで大事なのはツールの新しさではなく、どの作業をどのツールに流すかを決めることです。
事務作業×AIの自動化は5ステップ
事務作業×AIの自動化でやることは5つ。①事務作業を全部書き出す ②型で仕分ける ③入り口を1つにする ④人がやってマニュアルにしてからAIに渡す ⑤例外だけ人が見る。いきなりAIを入れるのではなく、AIに渡す手順を先に作るのがコツです。
ハマノーン手順なんていらん。AIに「事務やっといて」と言えば、いい感じにやってくれるだろ。
すずき「いい感じ」が何か、AIは知りません。社長も説明できないですよね。
ハマノーン……言われてみれば、ワシもよく知らん。
すずきなので、5つの順番でやります。
最初にやるのは、AIの設定ではなく「棚卸し」です。1〜2週間、事務の作業を誰が・いつ・何分かけているかまで書き出します。毎月1回しかない作業(月末の請求、年1回の更新手続き)も忘れずに入れます。
書き出してみると、たいてい「社長しか知らない作業」と「誰もやっていないことになっている作業」が出てきます。
書き出した作業に、「写す・振り分ける・作る・確かめる」(AIに渡す)か、「決める・謝る・責任を持つ」(人に残す)かの印を付けます。1つの作業に両方が混ざっていたら、作業を2つに割ります。
例:「取引先からの請求書を処理する」→「PDFから金額と期日を写す(AI)」+「支払っていいか決める(人)」
紙で届く、メールで届く、チャットで届く、口頭で頼まれる。入り口がバラバラだと、AIはどこを見ればいいか分かりません。依頼はこのフォーム、書類はこのフォルダ、問い合わせはこのアドレスと、型ごとに入り口を決めます。
ハマノーンワシはいつも、廊下ですれ違った人に口で頼んでるぞ。
すずきそれが一番AIに届かない入り口です。
AIに渡す前に、人が一度その作業をやって、手順と例外を書き出します。マニュアルがない作業は、AIにも教えられません。マニュアルができたら、Lv1のツールの自動化機能か、Lv2の生成AIに、その手順どおりに渡します。
AIが処理できなかったもの、自信がなさそうなものだけを人が見る流れにします。例外が出たら、その都度マニュアルに1行足します。マニュアルが育つほど、人が見る量は減っていきます。
ハマノーンマニュアルに1行足すだけで、AIが賢くなるのか。
すずきはい。逆に誰も足さないと、同じ例外で毎月止まります。
ツールごとの設定ポイント
- Microsoft 365:Excelの表の整理や集計、Outlookのメールの要約や返信の下書きを、アプリの中のCopilotで頼めます。Microsoft 365 Copilot のライセンスで使える範囲と、追加費用なしのCopilot Chatで使える範囲が違うので、プランを確認してから始めます
- Google Workspace:GmailでスレッドをGeminiに要約させ、返信の下書きを作らせます。スプレッドシートは、Geminiに表の作成やデータの自動入力を頼めます。使える機能はプランで変わります
- kintone:スタンダードコース・ワイドコースなら、管理者が「kintone AI管理」の画面で使いたいAI機能を選んで始めます。生成AIから操作したいときは、公式のkintone MCPサーバーを使います
- Notion:手順書(STEP4のマニュアル)を置く場所にすると、Notion AIで下書きや要約ができます。生成AIからは公式のNotion MCPで検索・更新できます
- Chatwork:依頼がチャットで飛び交う会社は、AI要約で直近のやりとりをまとめてから、STEP3の入り口に流します。生成AIから操作したいときは、公式のChatwork MCPサーバーを使います
画面やメニューの名前は変わることがあります。各社の公式ヘルプもあわせて確認してください(2026年10月時点)。
Lv2:ChatGPTに事務はどこまで頼める?
ChatGPTやClaudeに事務で頼めるのは、文面の下書き、データの整形、資料の要約、チェックの4つ。つまり「下書き係」と「チェック係」です。事務の丸投げはできませんが、手で書く・打つ時間はかなり減ります。
ハマノーンChatGPTに「今月の事務、全部やっといて」で終わりじゃないのか?
すずきChatGPTは、社内のどこに何があるかを知りません。渡した材料の範囲で、下書きとチェックをする係です。
ハマノーン材料を渡すのは誰なんだ?
すずき誰かがやらないといけません。だいたい、言い出した人以外です。
ChatGPT・Claude・Gemini・Microsoft Copilot などの生成AIは、事務ツールの「外側」で事務を助けてくれます。ツールの中のAIが「作業係」なら、生成AIは「下書き係」と「チェック係」です。
事務で生成AIが使える5つの場面
- 定型メールの下書き:日程調整、お礼、資料送付、催促など、毎回ほぼ同じメールの下書きを作る
- データの整形:バラバラな書き方の住所・会社名・日付を、同じ形にそろえる
- 書類の要約:長い契約書・通知・議事録から、期限と「やること」だけを抜き出す
- 手順書づくり:作業のメモや録音の書き起こしから、マニュアルの下書きを作る
- 一覧のチェック:2つの一覧を比べて、合わない行・重複・空欄を洗い出す
そのまま使えるプロンプト例
あなたは中小企業の事務担当です。次の条件で、取引先に送るメールの下書きを作ってください。
敬語はていねいに、200字以内で。送る前に人が確認する前提で書いてください。
目的:〔例:打ち合わせの日程調整〕
相手:〔会社名は「A社」に置き換え済み〕
伝えたいこと:〔候補日・用件〕
次の一覧の「会社名」「住所」「日付」の書き方をそろえてください。
・会社名:株式会社は前株・後株を元のまま、全角に統一
・住所:都道府県から始める
・日付:YYYY/MM/DD
直せなかった行は、理由をつけて最後に一覧にしてください。
(一覧を貼り付け。個人名・電話番号は削除済み)
次の作業メモをもとに、新人が読んでも同じ作業ができる手順書を作ってください。
「手順」「使うツール」「よくある例外と、そのときの対応」「誰に確認するか」に分けて、
メモに書いていないことは推測で埋めず「要確認」と書いてください。
(作業メモを貼り付け)
ハマノーン手順書までAIが下書きしてくれるのか! これでマニュアル問題は解決だな。
すずき下書きまでです。中身が合っているかは、実際にその作業をやった人しか確かめられません。
ツールの中のAIと、ChatGPTの使い分け
- 毎日同じ場所で起きる作業(メールの要約、表の入力)→ ツールの中のAI(Lv1)。データを外に出さずに済みます
- ツールをまたぐ作業・1回きりの作業(手順書づくり、一覧の整形)→ ChatGPT・Claude などの生成AI(Lv2)
- 毎回同じ手順で、ツールをまたぐ作業 → MCPなどで生成AIからツールを操作する。ここまで来ると設定と運用の手間が大きいので、Lv3の人が要ります
やってはいけない使い方
- 個人情報・取引先の情報をそのまま貼らない。個人情報保護委員会は、生成AIに個人データを入力するときは、そのデータが学習など応答の出力以外に使われないかを十分確認するよう注意を出しています(個人情報保護委員会の注意喚起)。名前は「A社」「社員番号」に置き換えます
- AIの答えをそのまま外に出さない。生成AIの答えには不正確な内容が混ざることがあります(同じ注意喚起より)。送る前に人が読みます
- 社内のルールを先に決める。どのAIを、誰が、どのデータで使っていいか。法人向けのプランや設定なら、入力したデータはAIの学習に使われません(ChatGPTはBusiness・Enterprise、ClaudeはTeam・Enterprise、GeminiはGoogle Workspace版、Microsoft Copilotは職場のアカウント。2026年9月時点の各社公式の説明)。無料版や個人向けのプランは、設定しだいで学習に使われることがあります
Lv3:AIを入れたのに事務が減らない5つの理由
ツールとAIがそろっても、「回す人」がいなければ事務は減りません。止まる理由は、だいたいこの5つです。
ハマノーンCopilotも入れた、ChatGPTも契約した。これで事務はほったらかしでいいな!
すずき社長、それはAIを入れた会社が一番言うセリフです。そのうち、誰も見ていない「未処理」の山ができます。
ハマノーンぐはぁ!! ……なんでそうなるんだ。
すずき原因はだいたい次の5つです。
① 作業を書き出す人がいない
AIに渡す作業の一覧がないと、何を自動化すればいいか決まりません。忙しい社長も、毎日の作業で手一杯の事務担当も、棚卸しに時間を割けません。総務省の情報通信白書(令和7年版)でも、生成AI導入の懸念で一番多かったのは「効果的な活用方法がわからない」でした。わからない原因の多くは、AIではなく「自社の作業が見えていないこと」です。
② 依頼の入り口がバラバラ
ハマノーン大事な話は、ワシが廊下で直接言うことにしてるんだ。
すずき廊下の話は、AIからは見えません。フォームに入れてください。
メール、チャット、紙のメモ、口頭。入り口が決まっていないと、AIに届く前に依頼が消えます。「言った・言わない」で揉めるのも、だいたいここです。
③ マニュアルがないまま自動化する
手順が人の頭の中にしかない作業を、そのままAIに渡しても、AIは「それっぽいけど違う」結果を返します。最初の1回は合っても、例外が来た瞬間に止まります。
すずき社長、この「いい感じにやっといて」の作業、手順を教えてください。
ハマノーン……いい感じは、いい感じだ。
④ AIの結果を誰も確認しない
自動で処理されているから大丈夫、と思っていたら、同じ書類が2回送られていた、宛名が古い住所のままだった。確認しないAIの仕事は、あとで全部人がやり直すことになります。
⑤ 担当者が辞めると、仕組みごと消える
どの作業をどのツールにどう流しているか、知っているのが1人だけ。その人が辞めた瞬間に、AIの設定ごと止まります。冒頭の「担当者が1人辞めただけで全部が社長の机に戻ってくる」はまさにこれです。
ハマノーンつまり、ツールとAIがあっても、回す人がいないと止まるってことか。
すずきそうです。Lv1とLv2はお金で買えますが、Lv3は人が要ります。
ハマノーンなら、事務担当をもう1人雇うか。
すずき採用には時間がかかりますし、社会保険料も払います。辞めたらまた手順書ゼロからです。
ハマノーン……じゃあ、外に任せるしかないか。
すずきはい。その「回す人」を1時間単位で貸しているのが、社畜るです。
Lv1(ツール)とLv2(生成AI)はお金で買えます。Lv3(回す人)だけは、人がいないと始まりません。
【実例】セブンコードは事務作業全般をAIに回している
セブンコードでは、事務作業全般を基本的にAIが行っています。経理も、請求書も、電話の一次受付も、郵便の仕分けも、やり方は同じ。作業を型で仕分けて、ツールとAIに流しています。
ハマノーンで、ワシらの会社の事務はどうなってるんだ?
すずき事務作業は、基本的にAIがやってます。業務ごとに、使っているツールが違うだけです。
ハマノーンやったぜ!! じゃあワシの会社の事務員はゼロ人か!
すずきAIがやるのは作業です。ゼロ人とは言ってません。
セブンコードで実際にAIに回している事務作業を、型で仕分けるとこうなります。
| 型 | セブンコードでAIがやっていること | 使っているツール |
|---|---|---|
| 写す | 仕訳、部署ごとの月報シートへの数字の転記 | マネーフォワード クラウド会計+AI |
| 写す | 領収書の読み取りと、スプレッドシートへの金額の転記 | Googleドライブ+スプレッドシート+Claude |
| 写す | 企業から依頼された情報を、スプレッドシートにまとめる | AI |
| 振り分ける | 領収書を仕分けフォルダへ振り分ける | Googleドライブ+Claude |
| 振り分ける | 届いた郵便の仕分け | AI |
| 振り分ける | 電話の一次受付、用件の聞き取り、営業電話のお断り、担当者への通知 | 株式会社インターコード(セブンコードグループ)のAIの電話受付 |
| 振り分ける | 問い合わせフォームやHPからの問い合わせが来ていないかを確認して、必ず通知を出す | Gmail+AI |
| 作る | 請求書の発行、未入金の取引先への催促メールの送信 | マネーフォワード+AI |
| 作る | 財務3表(C/S・B/S・P/L)の作成 | マネーフォワード クラウド会計+AI |
| 作る | 営業資料の作成(デザインも含めて) | AI |
| 作る | 通話の文字起こし・要約、折り返しリストの作成 | インターコードのAIの電話受付 |
ハマノーンこうして並べると、ほとんど全部AIじゃないか。
すずきはい。型で仕分けると「写す・振り分ける・作る」はほぼAIに渡せる、というのがこの表です。
ハマノーン問い合わせを「必ず通知」ってのは何だ?
すずき問い合わせの見落としが一番こわいので、AIにGmailを見張らせて、来たら必ず知らせる仕組みにしてます。
個別の業務のくわしいやり方は、経理AI・経費精算AI・請求書AI・電話対応AIの記事に書いています。
事務AIでよくあるつまずき
ここからはセブンコードの話ではなく、公的な調査や注意喚起に出ている「よくあるつまずき」です。事務AIを始める会社は、だいたいどれかで止まります。
- 使い方のルールを決めないまま始める:総務省の情報通信白書(令和7年版)では、生成AIの活用方針を定めている日本の企業は49.7%(2024年度調査)。中小企業では「方針を明確に定めていない」という回答が約半数を占めています(情報通信白書 令和7年版)。ルールがないまま、各自が好きなAIに好きなデータを入れ始めるのが、一番よくある形です
- 何に使えばいいか分からず、試して終わる:同じ白書で、生成AI導入の懸念の1位は「効果的な活用方法がわからない」、次いで「社内情報の漏えい等のセキュリティリスク」でした。作業の書き出し(STEP1)をしないまま「とりあえずChatGPT」で始めると、ここで止まります
- 個人情報をそのまま入れてしまう:個人情報保護委員会は、生成AIに個人データを入力するときは、学習など応答の出力以外に使われないかを確認するよう注意を出しています(個人情報保護委員会)。名簿や顧客一覧を貼ってから気づく、が典型です
- AIの出力をそのまま使ってしまう:同じ注意喚起で、生成AIの答えには不正確な内容が含まれることがあると書かれています。宛名、金額、日付のような「1文字違うと事故になる」ところほど、人の確認が要ります
ハマノーン全部、うちでも起きそうな話だな……。
すずきなので、ルールを決める・作業を書き出す・確認する人を置く、の3つを先にやります。ここがLv3の仕事です。
このLv3は、セブンコードが御社の事務ごと引き受けられます。やり方は全業務共通で、まず人がお客さんの作業を実際に対応してマニュアルにし、そのマニュアルをAIで自動化していきます。
事務の人件費はいくら減る?何人分の仕事が浮く?
事務のAI化で浮く仕事は、事務作業のうち「写す・振り分ける・作る・確かめる」の時間がどれだけあるかで決まります。ただし浮いた人をすぐに解雇はできないので、採用を減らす・別の仕事に回す形で人件費を下げます。
ハマノーン前置きはいい。で、事務AIで何人クビにできるんだ?
すずきその前に、今の事務にいくらかかっているかを計算します。
いまの事務の人件費を出す
事務の人件費は、給料だけではありません。会社が払う社会保険料などの負担が上に乗ります。
事務の人件費(月)= 月給 × 人数 × 会社負担の上乗せ分
会社負担の社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険など)は、給料の約16%です(東京・一般の事業で、40歳未満なら約15.7%、介護保険がかかる40〜64歳なら約16.5%。2026年度の協会けんぽの料率などから計算。業種・地域・年齢で変わります)。
一般事務の平均年収は356万円です(doda 平均年収ランキング、2024年9月〜2025年8月)。これを月にならして計算すると、
356万円 ÷ 12か月 × 1.16 ≒ 月34万円
事務担当を1人置くと、会社の負担は月34万円ほどになります。兼務の場合は、事務に使っている時間の割合をかけます。社長や役員が事務を兼ねているなら、その人の時給で計算してみてください。たいてい、会社で一番高い事務員になっています。
ハマノーンワシの時給で計算したら、郵便を開けるのが会社で一番高い仕事になってるじゃないか。
すずき社長が夜に郵便を開けるのが、会社で一番高い事務ということです。
AIで何時間浮くかを出す
STEP1で書き出した作業を、型ごとに足し算します。下は計算の例です(仮の数字です。セブンコードの実績ではありません)。自社の数字は、実際にかかっている時間で入れてください。
| 型 | 今かかっている時間(月・例) | AIに渡した後に人に残る作業 |
|---|---|---|
| 写す | 30時間 | 読み取りミス・重複の確認 |
| 振り分ける | 20時間 | 迷ったものの判断 |
| 作る | 20時間 | 中身の確認、送るかの判断 |
| 確かめる | 10時間 | 合わなかったものの原因探し |
| 決める・謝る・責任を持つ | 20時間 | そのまま人 |
| 合計 | 100時間 | ― |
AIに渡せる型(写す・振り分ける・作る・確かめる)は、この例では月80時間。ここから確認の時間を引いた分が「浮く時間」です。
何人分の仕事が浮くか(=何人クビにできる、とハマノーンは言う)
浮く人数 = 浮いた時間 ÷ 1人の月の労働時間(例:160時間)
上の例で、AIに渡せる80時間のうち半分の40時間が浮いたとすると、
40時間 ÷ 160時間 = 0.25人分
ハマノーン0.25人分浮くなら、事務員を4人雇って1人クビだな!
すずきそれだと3人増えてます。
ハマノーンなら、今いる事務員の給料を0.25人分だけ減らす。
すずきそれも会社の都合だけではできません。次で説明します。
【注意】AIを入れたから、という理由でクビにはできない
ここは真面目に書きます。日本では、会社が社員を自由に解雇することはできません。労働契約法16条で「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は無効」と定められています。人員削減のための解雇(整理解雇)は、人員削減の必要性・解雇を避ける努力・人選の合理性・手続きの妥当性の4つを総合して判断されます(厚生労働省委託の相談センターの説明)。
「AIが書類を作るので明日から来なくていい」は、まず通りません。
浮いた人件費の使い道
- 辞めた人の補充をしない:事務担当が抜けても、次の人を採用しない
- 売上につながる仕事に回す:事務で浮いた時間を、営業や顧客対応に使う
- 残業を減らす:月末の「書類の夜なべ」がそのまま減る
ハマノーンなら、浮いた時間でライブのチラシを作るぞ! カニ道楽みたいなワシの看板つきでな!
すずきその前に、売上につながる仕事でお願いします。看板代も売上から出ます。
Lv3は誰に回させる?採用・社内・外注の月額を比べてみた
事務のLv3を回す選択肢は4つ。①事務担当を採用 ②今の社員+ツール+AI ③人の事務代行 ④人×AIの業務代行。AIで作業を減らした後の時間だけを外に出せば、事務担当を1人雇うより安く済む会社は多いです。
ハマノーン結局、誰に事務を任せるのが一番安いんだ?
すずき4つの方法を並べて比べます。
| ①事務担当を採用 | ②今の社員+ツール+AI | ③人の事務代行 | ④人×AIの業務代行 | |
|---|---|---|---|---|
| 月額の目安 | 給与+社会保険料(約16%)+採用費(一般事務の平均年収は356万円。会社負担込みで月34万円ほど) | ツールの月額(プランで変わる)+担当者の時間 | 事業者ごとに料金の決まり方が違う(時間制・月額固定など) | 人の作業1時間3,000円(社畜る) |
| 人件費との差 | ― | 担当者の時間ぶん | 任せる範囲しだい | 作業した時間ぶんだけ(社会保険料なし) |
| 始めるまで | 採用に数か月 | すぐ(棚卸しと手順書に時間がかかる) | 引き継ぎの期間が必要(事業者による) | 最短3日 |
| 社内の手間 | 教育・管理 | 大きい | 小さい | 小さい |
| 辞めるリスク | あり | あり | なし | なし(担当が変わらない) |
| 向いている会社 | 事務の量が多く、社内に置きたい | 担当がいて、手順書を作る時間もある | 決まった作業を丸ごと外に出したい | 担当がいない、社長が兼務、AI化も一緒に進めたい |
平均年収はdoda 平均年収ランキング(一般事務)、社会保険料は協会けんぽの料率などから計算(2026年度)。
月20時間の事務を外に出すといくら?
AIで作業を減らした後、人が要る時間が月20時間だとすると(仮の数字)、
20時間 × 3,000円 = 月6万円
事務担当を1人雇う(一般事務の平均年収で、会社負担込み月34万円ほど)必要はありません。人×AIの業務代行では、まず人が回してマニュアルを作り、繰り返しの作業をAIに移していくので、月日がたつほど同じ時間でできる量が増えていきます。AIの仕組みづくりと運用の料金は、料金ページで確認できます。
担当者がいて手が空いているなら、②の「今の社員+ツール+AI」で十分です。外に出すのが得になるのは、社長や役員が自分で事務をやっている会社と、事務担当が辞めて誰もいない会社です。
ハマノーン月6万円なら、事務員を1人雇うよりずっと安いな。
すずきしかも、教える手間も辞める心配もありません。手順書もこっちで作ります。
向いていない会社もあります
- 事務作業が月に数時間で、社長が片手間で終わらせている → Lv1のツールのAI機能だけで十分です
- 紙の書類を一切デジタルにしたくない → AIに渡す入り口が作れないので、効果がほとんど出ません
ハマノーンで、どんな会社なら向いてるんだ?
すずき社長が夜に郵便を開けて、書類を打ち直している会社なら、ど真ん中です。事務ごと、ウチに投げてください。
ハマノーンワシの会社のことじゃないか!
すずきだから言ってるんです。
事務はどこまで外注していい?士業との線引き
事務の外注で気をつけるのは、士業にしか頼めない仕事です。税務は税理士、労働・社会保険の手続き書類の作成や提出の代行は社会保険労務士、役所に出す許認可などの書類の作成は行政書士、法律事務は弁護士。それ以外の事務作業は、外に出せます。
ハマノーンなら、役所の書類も社会保険の手続きも、全部まとめて外注だ!
すずきそこは法律で、資格のある人にしかできない仕事が決まっています。
ハマノーン事務なのに、資格が要るのか?
すずき事務の中に、士業の仕事が混ざってるんです。そこだけ分ければ大丈夫です。
士業にしか頼めない仕事
| 業務 | 独占業務を持つ士業 | 代行できないこと(例) | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 税務 | 税理士 | 税務申告(税務代理)・税務書類の作成・税務相談 | 国税庁「税理士業務とは」 |
| 労務・社会保険 | 社会保険労務士 | 労働・社会保険の申請書類などの作成、提出の代行、事務代理 | 社会保険労務士法27条 |
| 許認可などの書類 | 行政書士 | 官公署に出す書類の作成(許認可など) | 行政書士法19条 |
| 法務・契約 | 弁護士 | 法律相談・交渉・代理 | 弁護士法72条 |
社労士・行政書士・弁護士の仕事は、資格のない人が「報酬を得て、業として」行うことが禁じられています。税理士の仕事は、お金をもらわなくても、税理士でない人がやれば違反です。事務を代行する会社は、この線を越えてはいけません。
一方で、データの入力、メールや郵便の仕分け、定型の書類の下書き、請求書の発行、士業に渡す資料の取りまとめなどは、外に出せます。セブンコードも、士業の独占業務には触れず、それ以外の事務を引き受けます。
社内に残すべき仕事
- 支払いの最終承認(振込ボタンは社内の人が押す)
- 採用・人事評価・契約の判断
- 各ツールの管理者権限と、どのAIを使っていいかのルール
ハマノーン振込ボタンくらい、押しておいてくれ。
すずきお金を動かす最後のボタンは、社長が押してください。そこは外に出してはいけないところです。
事務代行を選ぶときの確認ポイント
- 今のツール(Excel・Gmail・kintoneなど)のまま頼めるか
- AIが処理した内容を、人が確認しているか
- 手順書(マニュアル)を作ってくれるか、それは自社にも残るか
- 料金は「時間」「件数」「月額固定」のどれか
- 士業の独占業務をどう切り分けているか
- 担当者が変わらないか
- 個人情報や取引先の情報をどう守るか(権限の分け方、AIに入れるデータのルール)
よくある質問
できません。転記・振り分け・定型の書類の下書き・突き合わせはAIでかなり自動化できますが、例外の判断や承認、謝罪や調整、最終確認は人が必要です。作業を型で仕分けて、AIと人の両方をそろえるのが現実的です。
定型メールの下書き、データの整形、書類の要約、手順書の下書き、一覧のチェックはできます。ただし社内のデータを自分で探しに行くわけではないので、材料を渡す人と、結果を確認する人が要ります。個人情報や取引先の名前はそのまま入力しないようにしましょう。
ExcelなどのMicrosoft 365にはMicrosoft 365 Copilot、GmailなどのGoogle WorkspaceにはGemini、kintoneにはkintone AIが入っています。生成AIから操作する公式の仕組み(MCP)は、kintone・Notion・Chatworkがツールの会社から出していて、Google Workspaceは開発者向けのプレビューです。Microsoft 365は、Claude側の公式コネクタからOutlook・SharePoint・OneDrive・Teamsを検索できます(2026年10月時点)。
乗り換えは必要ありません。今のツールのAI機能と、ChatGPTなどの生成AIを組み合わせれば始められます。先にやるのは、事務作業の書き出しと型での仕分けです。
転記や振り分けのような「写す・振り分ける」作業は減ります。一方で、作業の仕分け、手順書づくり、例外の判断、AIの結果の確認といった「回す」仕事は残ります。事務の仕事は、手を動かす係から、AIに仕事を渡して確認する係に変わっていきます。
税務は税理士、労働・社会保険の手続き書類の作成や提出の代行は社会保険労務士にしかできない仕事です。事務代行に頼めるのは、それ以外の事務と、士業に渡す資料の取りまとめまでです。
人が動く作業は1時間3,000円で、少ない時間から相談できます。AIだけで回る作業は、月額1,980円からの代行もあります。まず人が作業を対応してマニュアルにし、そのマニュアルをAIで自動化していく進め方です。
まとめ
事務AIとは、データの転記、メールや郵便の振り分け、定型の書類づくり、数字の突き合わせなど、事務の定型作業をAIで自動化することです。中小企業の事務は、①Excel・Gmail・kintoneなどの事務ツールのAI機能、②ChatGPTなどの生成AIによる下書きとチェック、③作業を仕分けてマニュアルにし、例外とAIの結果を確認する人、の3つをそろえて初めて回ります。仕分けは業務名ではなく「写す・振り分ける・作る・確かめる」(AI)と「決める・謝る・責任を持つ」(人)の型で行います。AIで浮いた時間は、解雇ではなく、採用を減らす・別の仕事に回す・残業を減らすことで人件費の削減につなげます。
Lv1の事務ツールと、Lv2の生成AIはお金で買えます。Lv3の「回す人」だけは、人がいないと始まりません。セブンコードの「AI×人の業務代行」は、このLv3を引き受けて、まず人が作業を回してマニュアルにし、そのマニュアルをAIで自動化していくサービスです。
ハマノーンつまり、事務員はクビにできないけど、増やさずに済むってことだな。
すずきはい。そして事務のLv3は、外に任せられます。
ハマノーンよし、廊下で頼むのはやめて、社畜るに投げるか!
すずき投げてください。ぼくもやっと役員らしい仕事ができます。イ〜!
ハマノーンでは、今日はこの辺で、GOOD BLACK😈






